
1月になると、パン屋さんやケーキ屋さんの店頭に、表面に美しい模様が描かれたパイ菓子が並びます。
それがガレット・デ・ロワ。
rebakeでは、その美しさ、美味しさ、特異性に着目し、毎年この時期に「ガレット・デ・ロワ特集」を実施しています。
今年の特集では、ガレット・デ・ロワの魅力を作り手であるパン屋さんと深掘り、さらに、rebakeスタッフ一押しの商品をご紹介します。
目次
作り手へのインタビュー
丁寧に作られたパイ生地に、甘いだけでない深みのあるアーモンドクリーム、そして何と言っても顔である美しい模様。
見た目・食感・濃厚さと、魅力たっぷりのガレット・デ・ロワ。
1月の限られた時期にしか食べられない はかなさも相まって、特別な存在です。
でもまだまだ一般的とは言いづらく、よく分からないこともいっぱいです。
ということで、1番詳しい人=実際に作っているパン屋さんにお話を伺いました!
教えてくれたのは、
毎年すぐに完売してしまう美しいガレット・デ・ロワを作っている パン・アトリエ クレッセント の福島さん。
素材にも製法へもこだわりが強いこだわりストであると同時に、優しく人情味にあふれる素敵なパン屋さんです。

ガレット・デ・ロワを作るにあたって、1番時間がかかることは何ですか?
福島さん)時間がかかるという点では生地の仕込みかな。
パイ生地の作り方にはいくつか方法があるけど、うちは3つ折りを6回やってる。(通常のクロワッサンだと3つ折りを3回ぐらい)
生地を落ち着かせないといけないから、まず3回やって一晩寝かせてまた次の日にやるという流れなので生地だけで2日はかかる。
それでも、この工程がパイの食感や食べ心地に左右されるから1番大事。
あとは、時間はそんなにかからないんだけどレイエ(模様)を入れるのはやっぱり気を遣う。
失敗できないから集中して丁寧にやらないといけない。
実際には1枚5分ぐらいだけどね。
シュトーレンに比べてガレット・デ・ロワを作るパン屋さんが少ない理由は?
福島さん)パンじゃないからじゃない(笑)
ガレット・デ・ロワには生地の折り込みをする工程があるど、パン屋さんの工房は比較的 室温が高いのでバターが溶けやすくてそもそも向いていないという設備的な面もある。
それから、シュトーレンはパン屋さん同士の講習会があったりするんだけど、ガレット・デ・ロワの講習会はない。
日本にガレット・デ・ロワが入ってきたときは、洋菓子屋さん経由で入ってきてる。だから洋菓子屋さんでは作ってるところは多いんだけど、やっぱりそういう歴史的な面から見てもパン屋さんにはまだまだ浸透してないと思う。

僕は、シュトーレンのコンテストで優勝したことを機に洋菓子屋さんとの繋がりができて、それで洋菓子屋さん主催の講習会に参加させてもらったりしたんだけど、ほとんどのパン屋さんではそういう機会がないんじゃないかな。
それに加えて、販売する期間も短いから、売れるかどうか分からないものを作るのはやっぱりリスキーに感じると思う。
でも、フランスではパン屋さんもケーキ屋さんも両方ともガレット・デ・ロワ作ってるから、
店舗名に "Boulangerie(=フランス語でパン屋という意味)" ってついているところは作ってるところも多いんじゃないかな?
まぁやっぱり設備的にも歴史的にも日本のパン屋さんでは作ってないところがほとんどだよね。
お菓子屋さんでも作っているガレットデロワですが、パン屋さんならでは!という部分があれば知りたいです!
福島さん)お菓子屋さんはバターとか素材をメインに考えてるけど、パン屋の場合は生地を1番大事に考えてる。
うちの場合は、アンヴェルセ(逆折り込み)という方法でパイ生地を作ってる。
通常のパイ生地は生地の中にバターを包むんだけど、アンヴェルセの場合は逆にバターの中に生地を包み込むという方式。
アンヴェルセは香りが豊かになって繊細でハラハラした食感になる一方で、バターが溶けないように室温に気を遣ったり工程ごとに生地を寝かせないといけないので時間もかかる。
大変だけど、やっぱり生地には妥協できないのはパン屋だからなのかな。

パン作りと並行してはできないから、パン作りが全て終わった夜に生地を作り始めて、次の日にパン作りを始める前に焼き上げる。
時間も手間もかかる分、パンとはまた違った思い入れがあるかな。
生地の仕上がりもレイエの入りも、その日その日によって顔が全然違う。
だから、もっともっと上手くなりたいと思うし、探求心が尽きることがないよね。
切き方や保存方法など、食べるときのこつはありますか?
福島さん)切る方法として1番いいのは、長い包丁で一気に切ることかな。あんまりギコギコするとどうしても崩れやすくなっちゃうと思う。
万能包丁よりは、パン切り包丁の方がキレイに切れると思う。
それからすぐに食べない場合は冷蔵じゃなくて冷凍しちゃった方がいいかな。
それで、食べるときにはトースターなんかで温める。そうするとバターの香りが立つので美味しく食べられるよ。
ガレット・デ・ロワへの愛情の深さゆえに、お話が止まらない福島さんが印象的でした。
特に、こだわりについての話は、自分の目指しているガレット・デ・ロワのことや世界のコンクールの話まで、たくさん教えてくれました。
気になる方は、注文後にメッセージで聞いてみてくださいね。
rebakeスタッフ一押しはこちら
シンプルさゆえに、作り手のこだわりやお店の特徴が反映されやすいガレット・デ・ロワ。
パン・アトリエ クレッセントのものをはじめ、
rebakeに出品されているガレット・デ・ロワの中から、rebakeスタッフ一押しのものだけを集めました。
同じガレット・デ・ロワでも、お店によって全く違う特徴があり、とっても面白いですよ♪
👑パン・アトリエ クレッセント(茨城)
特徴
・圧倒的な模様の美しさ
・濃厚なのに軽やか
この新年のお菓子にかける思いの丈を惜しむことなく教えてくださった、福島さんによる普及の名作。
今年は100台限定で販売を開始しています。
この模様を1台あたり5分程度で書き上げてしまうんだとか
箱を開けてまず驚くのが、その模様の美しさ。
全て手作業で描かれていますが、図形としての正確さに職人技を感じます。
フェーブは別添えです。カットしてからぎゅっと押し込んで🤛
食べてみると、洋菓子のような濃厚さは残しつつ、パイ生地がとっても軽やか。
素材へのこだわりに加え、パン屋さんとしての生地へのこだわりが伺える名品です。
👑Mrs. Saison Bakery(東京)
特徴
・パキッとした濃いめの焼き色
・ライトな食べ心地
2025年10月にオープンした新店舗からも、こだわりの詰まったガレット・デ・ロワが登場。
とっても面白い1品でした...!
かっこよさすら感じてしまう焼き色の良さ
まず、その出立ちのかっこよさに見惚れてしまいます。
勢いよく描かれた模様と、バリッと気持ちの良い焼き色。パイのお菓子は繊細な印象ですが、こちらは力強さを感じます。
フェーブは入りません。みんな王様!
この商品をひと言で表すなら「パン屋さんのお菓子」。
ほろっと崩れるパイ生地、口の中でふわっと消えていくアーモンドクリーム、表面の焼き目の香ばしさ...
ガレット・デ・ロワでは初体験の、すっきりした食べ心地で、何ピースでも食べられそう。
👑禄(富山)
特徴
・包装から始まるかわいらしい世界観
・華やか&リッチな食べ心地
フランスの伝統に基づくパン、お菓子作りで定評のある禄からも、ガレット・デ・ロワの販売がスタートしています!
フランス菓子作りをメインで行っている禄らしい、華やか&おしゃれな商品です。
もうこの時点でバターのいい香り。
禄の商品の特徴の1つといえば、その統一された世界観。
このガレット・デ・ロワも、禄ワールド全開の、丁寧かつ可愛らしい包装で届きます。
包装を解くと、赤茶色が均一に広がる焼き目がとても綺麗。
丁寧に育てられた「箱入り娘」感がたまりません。
かわいいフェーブが1個入っています♪
写真からも伝わる、アーモンドクリームの濃厚さ。口の中でゆっくり溶けていくような感覚です。
パイ生地は、バターの香りをまとってハラハラと崩れていくよう。
食べているこちらまでとろけてしまいそうなリッチさです。
お気に入りのガレット・デ・ロワは見つかりましたか?
どのガレット・デ・ロワも、各店舗のコンセプトを反映していて、食べていてとても楽しかったです☺️
どれを頼んでも、美味しさは私たちrebakeスタッフのお墨付き。
ガレット・デ・ロワで素敵な新年のスタートを🦢
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