今年もやってきました、ガレット・デ・ロワの季節!
12月はドイツのシュトーレンを楽しみ、そして1月にはフランスのガレット・デ・ロワを嗜む。
贅沢ですが、寒い冬の中には楽しみは1つでも多い方がいいですよね。
丁寧に作られたパイ生地に、甘いだけでない深みのあるアーモンドクリーム、そして何と言っても顔である美しい模様。
見た目・食感・濃厚さと、魅力たっぷりのガレット・デ・ロワ。
1月の限られた時期にしか食べられない はかなさも相まって、特別な存在です。
でもまだまだ一般的とは言いづらく、よく分からないこともいっぱいです。
ということで、1番詳しい人=実際に作っているパン屋さんにお話を伺いました!
教えてくれたのは、
毎年すぐに完売してしまう美しいガレット・デ・ロワを作っている パン・アトリエ クレッセント の福島さん。
素材にも製法へのこだわりが強いこだわりストであると同時に、優しく人情味にあふれる素敵なパン屋さんです。
そしてインタビューの後に、福島さんが作るものも含めて おすすめのガレット・デ・ロワをご紹介しています!
そちらもどうぞお楽しみに。
ガレット・デ・ロワを作るにあたって、1番時間がかかることは何ですか?
福島さん)時間がかかるという点では生地の仕込みかな。
パイ生地の作り方にはいくつか方法があるけど、うちは3つ折りを6回やってる。(通常のクロワッサンだと3つ折りを3回ぐらい)
生地を落ち着かせないといけないから、まず3回やって一晩寝かせてまた次の日にやるという流れなので生地だけで2日はかかる。
それでも、この工程がパイの食感や食べ心地に左右されるから1番大事。
あとは、時間はそんなにかからないんだけどレイエ(模様)を入れるのはやっぱり気を遣う。
失敗できないから集中して丁寧にやらないといけない。
実際には1枚5分ぐらいだけどね。
シュトーレンに比べてガレット・デ・ロワを作ってるパン屋さんが少ない理由は?
福島さん)パンじゃないからじゃない(笑)
ガレット・デ・ロワには生地の折り込みをする工程があるど、パン屋さんの工房は比較的 室温が高いのでバターが溶けやすくてそもそも向いていないという設備的な面もある。
それから、シュトーレンはパン屋さん同士の講習会があったりするんだけど、ガレット・デ・ロワの講習会はない。
日本にガレット・デ・ロワが入ってきたときは、洋菓子屋さん経由で入ってきてる。だから洋菓子屋さんでは作ってるところは多いんだけど、やっぱりそういう歴史的な面から見てもパン屋さんにはまだまだ浸透してないと思う。
僕は、シュトーレンのコンテストで優勝したことを機に洋菓子屋さんとの繋がりができて、それで洋菓子屋さん主催の講習会に参加させてもらったりしたんだけど、ほとんどのパン屋さんではそういう機会がないんじゃないかな。
それに加えて、販売する期間も短いから、売れるかどうか分からないものを作るのはやっぱりリスキーに感じると思う。
でも、フランスではパン屋さんもケーキ屋さんも両方ともガレット・デ・ロワ作ってるから、
店舗名に "Boulangerie(=フランス語でパン屋という意味)" ってついているところは作ってるところも多いんじゃないかな?
まぁやっぱり設備的にも歴史的にも日本のパン屋さんでは作ってないところがほとんどだよね。
お菓子屋さんでも作ってるガレットデロワですが、パン屋さんならでは!という部分があれば知りたいです!
福島さん)お菓子屋さんはバターとか素材をメインに考えてるけど、パン屋の場合は生地を1番大事に考えてる。
うちの場合は、アンヴェルセ(逆折り込み)という方法でパイ生地を作ってる。
通常のパイ生地は生地の中にバターを包むんだけど、アンヴェルセの場合は逆にバターの中に生地を包み込むという方式。
アンヴェルセは香りが豊かになって繊細でハラハラした食感になる一方で、バターが溶けないように室温に気を遣ったり工程ごとに生地を寝かせないといけないので時間もかかる。
大変だけど、やっぱり生地には妥協できないのはパン屋だからなのかな。
パン作りと並行してはできないから、パン作りが全て終わった夜に生地を作り始めて、次の日にパン作りを始める前に焼き上げる。
時間も手間もかかる分、パンとはまた違った思い入れがあるかな。
生地の仕上がりもレイエの入りも、その日その日によって顔が全然違う。
だから、もっともっと上手くなりたいと思うし、探求心が尽きることがないよね。
切き方や保存方法など、食べるときのこつはありますか?
福島さん)切る方法として1番いいのは、長い包丁で一気に切ることかな。あんまりギコギコするとどうしても崩れやすくなっちゃうと思う。
万能包丁よりは、パン切り包丁の方がキレイに切れると思う。
それからすぐに食べない場合は冷蔵じゃなくて冷凍しちゃった方がいいかな。
それで、食べるときにはトースターなんかで温める。そうするとバターの香りが立つのでおいしく食べられるよ。
ガレット・デ・ロワへの愛情の深さゆえに、お話が止まらない福島さんが印象的でした。
特に、こだわりについての話は、自分の目指しているガレット・デ・ロワのことや世界のコンクールの話まで、たくさん教えてくれました。
気になる方は、注文後にメッセージで聞いてみてくださいね。
rebakeがおすすめするガレット・デ・ロワはこちら!
インタビューに答えてくれたクレッセントの福島さんのものも含め、rebakeが自信をもっておすすめする3店舗をご紹介します。
いずれも数量限定のため、売り切れとなってしまった場合にはご了承ください。
こだわりが詰まったガレット・デ・ロワ。
手作業で作られるので、1日中 作り続けても焼けるのはわずか20台ほど。
込められた思いに気持ちを馳せながら、味わってください。
【限定60台】パン・アトリエ クレッセント / 茨城
過去には、30台がわずか数時間で売り切れたこともある超人気のガレット・デ・ロワ。今年は60台を用意してくれていますが、気になる方は早めにチェックしてみてください。
何といってもその魅力は、手作業で書いたとは思えないほどの模様の美しさ。
ガレット・デ・ロワの表面の模様は1つ1つ手で書いていくため、作り手のセンスがものを言います。
切るのがもったいなくなるほどの美しさなので、食べる前にぜひ写真に残しておいてくださいね。
加えて、しっとりと濃厚かつくどくない甘さのアーモンドクリームと、サクサクっとしたパイ生地の食感も最高にマッチしています。
間違いなく、日本最高峰のガレット・デ・ロワです。
【限定20台】Palaoa / 千葉
直径約18cmと小ぶりサイズのため、初めてガレット・デ・ロワを食べるという方のお試しにもおすすめです。
美しさと力強い見た目に隠れた、追及された味。
つややかかつ濃いめの焼き色の下には、たっぷりのアーモンドクリーム。
このクリームは、通常の倍の手間をかけて、皮つき、皮なしの両方を作った上で混ぜ合わせています。
甘さの中にほんのりと苦みを加えることで、全体として深みのある味わいに仕上がっている絶妙なバランスです。
576層の生地から生み出されるパリパリ食感と、
四つ葉バターを使った軽やかな風味の生地にもご注目ください。
1月2日から【限定数台】禄 / 富山
※1月2日から販売開始いたします。再入荷予約を設定してお待ちください。
随所から感じられる圧倒的なセンスで、根強いファンを増やし続けている名店。
食べる前から期待が高まる特別感のある梱包で、自分用はもちろん贈答用にも好評。
アーモンドクリームとパイ生地のバターからしっかりとコクと旨みが感じられるのに、それでいてサクサクの食感に押されるように軽く食べられる不思議な魅力があります。
思わず、一緒に食べている大事な人と顔を見合わせてしまうほど。
プレーンのタイプのほか、栗を使ったものもあります。
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