Bakery Quartet

東京都大田区萩中2丁目7−12ST萩中101

私たちのパン屋は、『おいしさ』を追求しながらも、素材が持つ本来の風味や香りを大切にしたパン作りを行っています。国産小麦や国産ライ麦、全粒粉、雑穀など厳選された素材を使用し、独自に開発した天然発酵『ルヴァン種』を活用した製法で、他では味わえないパンをご提供しています。

グルテン含有量が控えめな国産小麦を使用し、酵素の力を活かした長時間氷温発酵を採用。この製法により、グルテンが自然に分解され、柔らかく消化しやすいパンが生まれます。ライ麦パンや全粒粉パンは、香ばしい風味と豊かな食感が特徴で、雑穀パンの"穀物礼賛"は17種類以上の雑穀や穀物を使用し噛むほどに広がる深い味わいをお楽しみいただけます。

朝食や軽食として、日々の食卓を豊かにするパンを多彩に取り揃えています。また、栄養豊富で満足感の高いパンを通じて、お客様一人ひとりに合った美味しさをお届けします。素材の魅力を最大限に活かし、こだわりの詰まったパンをぜひご堪能ください。

特級パン製造技能士
雑穀エキスパート
パンコーディネーターのお店です。

分子レベルで読み解く、国産小麦のこだわり

パンの味わいは、素材の分子構造によって大きく左右されます。私たちは、国産小麦が持つ特有の分子特性を活かし、深みのある味わいと心地よい食感を実現しています。

 

🌾 国産小麦のタンパク質構造とグルテン形成

小麦粉に含まれるタンパク質(グリアジンとグルテニン)は、水と混ざることで水素結合や疎水結合を介して複雑に絡み合い、グルテンを形成します。国産小麦は、特にグルテニンサブユニットの組成バランスが絶妙で、高分子量グルテニンサブユニット(HMW-GS)の特定の組み合わせ(例:5+10)が、弾力のあるもっちりとした食感を生み出します。高温・高湿な日本の気候に適応した小麦は、海外産とは異なる繊細なグルテンネットワークを形成し、水素結合による保水性を高め、しっとり感を保ちつつ、アミロースとアミロペクチンの比率が絶妙なバランスを保ち、噛むほどに甘みが広がる特性を持ちます。

 

🧬 アミノ酸バランスが生み出す旨味

小麦の風味は、たんぱく質を構成するアミノ酸の種類と量によって決まります。国産小麦は、遊離アミノ酸(特にグルタミン酸やアスパラギン酸)を豊富に含み、これらはグルタミン酸脱炭酸酵素の作用でγ-アミノ酪酸(GABA)などのリラックス効果のある物質に変換され、発酵過程でプロテアーゼによってペプチドやアミノ酸に分解されることで自然な旨味が引き出されます。これは、うま味成分として知られるグルタミン酸がパン生地の発酵時に分解され、メイラード反応を促進し、より味わい深いパンへと変化するためです。

 

🍞 デンプンの分解と甘みの引き出し

小麦粉のデンプン(主にアミロースとアミロペクチン)は、酵素(α-アミラーゼ、β-アミラーゼ)によってマルトースやグルコースなどの糖に分解され、発酵の際にイーストのエネルギー源になります。国産小麦のデンプンは、リン酸基の結合状態や結晶構造の違いから、分解速度が緩やかで、焼成後も糖のバランスが整いやすく、カラメル化反応やメイラード反応を穏やかに進め、自然な甘さが感じられます。この特性が、噛むほどに優しい甘みが広がる理由の一つです。

 

🌿 発酵と小麦の相性

パンの香りと風味を決定づけるのは、発酵中に酵母(サッカロマイセス・セレビシエなど)や乳酸菌(ラクトバチルスなど)が生成するエステル、アルデヒド、ケトンなどの揮発性有機化合物です。国産小麦は、これらの微生物が作用しやすい環境を持ち、特に長時間発酵で、フェルラ酸デカルボキシラーゼの働きによりバニリンなどの芳香成分が生成され、豊かな香りが引き出されます。これは、小麦の外皮や胚芽に含まれる微量成分(フェルラ酸などのポリフェノール)が、発酵の際に酵母を活性化するためです。

 

🌎 地産地消とフレッシュな品質

輸入小麦は、輸送や保管の過程でリポキシゲナーゼによって脂肪酸が酸化され、過酸化脂質やアルデヒドなどの劣化物質が生成される可能性があります。一方、国産小麦は収穫から製粉までの時間が短く、フレッシュな状態でパン作りに使用できます。酸化によるグルテンタンパク質の架橋構造の劣化が少ないため、グルテンの形成も安定し、焼き上がりの食感や風味が格段に向上します。

 

分子から生まれる、最高のパン体験

素材の分子レベルの特性を理解し、最大限に活かすことで、私たちは「噛むほどにおいしさが広がるパン」をお届けします。
国産小麦が持つ優れた分子構造が、みなさまの一日をより幸せなものにしてくれると考えています。

分子レベルで読み解く、雑穀のちから

パンに雑穀を加えることで、ただ栄養価が向上するだけでなく、分子レベルで味わい、食感、香りに大きな変化が生まれます。私たちは、雑穀の持つ特性を科学的に理解し、それを最大限に活かしたパン作りを行っています。

 

🌾 雑穀のデンプン構造が生む独特の食感

雑穀に含まれるデンプンは、小麦のデンプン(アミロースとアミロペクチン)と比べて、分子鎖の長さや分岐構造が異なるため、異なる吸水性と糊化特性を示します。例えば、黒米や赤米に多く含まれるアミロペクチンは、α-1,6-グルコシド結合が多く分岐しているため、吸水率が高く、水素結合を多く形成し、焼き上げ後も水分を保持し、もっちりとした食感を維持します。さらに、雑穀の外皮にはセルロースやヘミセルロースといったβ-1,4-グリコシド結合を持つ多糖類である食物繊維が豊富に含まれており、これが水分を吸収して膨潤し、「プチプチ」とした心地よい噛み応えを生み出します。

 

🧬 アミノ酸とポリフェノールが引き出す深い味わい

雑穀には、小麦には少ない必須アミノ酸や機能性成分が豊富に含まれています。例えば、キヌアやアマランサスに含まれるリジンは、タンパク質の翻訳に不可欠であり、グルタミン酸(旨味成分)と相互作用し、イノシン酸などの核酸系うま味成分との相乗効果により、コクのある味わいを生み出します。また、黒米や赤米にはシアニジン-3-グルコシドなどのアントシアニン、ゴマにはセサミン、セサモリン、セサミノールといったポリフェノールが含まれ、これらの抗酸化成分は、フリーラジカルを捕捉し、脂質の酸化を抑制することで風味の劣化を防ぎ、風味の奥行きを深めるとともに、パンの酸化を防ぐ役割を果たします。

 

🍞 発酵との相乗効果 – 酵母が生み出す複雑な香り

発酵の過程で、酵母(Saccharomyces cerevisiaeなど)は、雑穀に含まれる単糖類(グルコース、フルクトースなど)やアミノ酸を利用し、エステル、アルデヒド、ケトン、有機酸(酢酸、乳酸など)、高級アルコールといった多様な芳香化合物を生成します。例えば、雑穀の外皮に含まれるフェルラ酸は、酵母が持つフェルラ酸デカルボキシラーゼによって4-ビニルグアヤコールに変換され、クローブのようなスパイシーな香りを付与し、酵母の活動を助けることで発酵を促進し、パンの芳醇な香りを引き出します。また、米由来のデンプンがアミラーゼによって分解されることで、マルトースなどのわずかに甘い糖が生成され、雑穀の香ばしさと調和します。メイラード反応も進行し、さらに複雑な香りを生み出します。

 

🌿 雑穀がもたらす健康機能

雑穀には、ペクチンやβ-グルカンといった水溶性食物繊維や、アントシアニンやタンニンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。これにより、消化管内での糖の吸収を遅延させ、食後の血糖値の急上昇を抑える効果や、プレバイオティクスとして腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きが期待できます。特に、β-グルカンを多く含む大麦は、腸内細菌(Bacteroides、Bifidobacteriumなど)によって発酵され、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの短鎖脂肪酸を生成し、腸管上皮細胞のエネルギー源となるとともに、腸内のpHを適切に保ち、善玉菌(ビフィズス菌など)を増やすサポートをします。また、短鎖脂肪酸は、全身の炎症を抑える効果も期待されています。

 

分子の力が生み出す、食べる喜び

私たちは、雑穀の分子構造を活かし、パンの風味や食感を科学的に設計しています。素材そのものの力を最大限に引き出し、「噛むほどに旨味が広がる、体が喜ぶパン」をお届けします。雑穀が織りなす分子のハーモニーを、ぜひお楽しみください。

発酵のちから – 受け継がれる酵母と酵素のハーモニー

パンの発酵は、生きた酵母とその持つ酵素の働きによって、香り・味わい・食感が決まります。当店では、自家製ルヴァン種(Lactobacillus sp.、Saccharomyces cerevisiae)にホシノ天然酵母(Saccharomyces exiguus)の酵素を取り込みながら、独自の発酵バランスを生み出す製法を採用しています。さらに、仕上がりの安定性を保つためにごくわずかにイースト(Saccharomyces cerevisiae)を使用し、最適な発酵環境を整えています。

 

🍞 自家製ルヴァン × ホシノ天然酵母の酵素 – 深い旨味と柔らかな甘み

当店のルヴァン種は、小麦とライ麦由来の酵母(Saccharomyces cerevisiae、Kazachstania humilisなど)と乳酸菌(Lactobacillus sanfranciscensis、Lactobacillus plantarumなど)が共存する発酵種です。これにホシノ天然酵母(Saccharomyces exiguus)を加えることで、ホシノが持つアミラーゼ(α-アミラーゼ、β-アミラーゼ)、プロテアーゼ(ペプチダーゼ)、フィターゼなどの酵素がルヴァン発酵をより穏やかに進め、フルクトースやマルトースなどの糖類が増加し、まろやかな甘みとコハク酸などの有機酸によるコクが加わります。
 

ルヴァン種の力:
乳酸菌が糖を代謝して乳酸や酢酸などの有機酸を生成し、pHを低下させることで、雑菌の繁殖を抑え、じっくりと発酵させることで、2-アセチル-1-ピロリンなどの香気成分が生成され、ナッツのような香ばしさとほのかな酸味を生み出します。
 

ホシノ天然酵母の酵素:
パン生地のデンプン(アミロース、アミロペクチン)をα-アミラーゼやβ-アミラーゼが分解し、グルコース、マルトース、オリゴ糖などの糖に分解し、メイラード反応やカラメル化反応を促進し、やさしい甘みを引き出します。また、プロテアーゼがタンパク質(グルテン)をペプチドやアミノ酸に分解することで、グルテンネットワークが緩み、ふんわりとした口どけの良い食感になります。さらに、フィターゼがフィチン酸を分解することで、ミネラルの吸収を促進します。
 

ルヴァンだけでは得られない丸みのある風味を、ホシノ天然酵母の酵素が支え、乳酸菌と酵母のバランスが取れた発酵により、複雑で奥深い味わいに仕上がります。
 

🌾 ごくわずかなイースト使用 – 理想の発酵バランスを実現

パンの品質を安定させるために、発酵のコントロールが難しい気候や生地の種類によっては、ごくごくわずかにイースト(Saccharomyces cerevisiae)を加えています。イーストは、グルコースやフルクトースを効率的に代謝し、二酸化炭素を生成することで、パン生地を膨らませる役割を果たします。

イーストを加えることで、発酵のタイミングを調整し、生地のpHやグルテンの形成をコントロールすることで、一貫した品質のパンを提供するための補助的な役割を果たします。
 

過発酵によるグルテンの分解や、不安定な膨らみを防ぎ、食感や風味のバランスを最適化します。
 

これにより、ルヴァンとホシノ天然酵母の持つ風味や食感を最大限に活かしながら、安定した焼き上がりを実現しています。
 

🍞 ひとくちの幸せ、発酵のちから

長い時間をかけて育てたルヴァン種と、ホシノ天然酵母の酵素の力、そしてわずかに加えたイーストが生み出す、繊細な発酵のバランス。発酵の過程で生成されるエステル、アルデヒド、ケトン、有機酸などの多様な香気成分が、複雑で奥深い風味を織りなします。

焼きたてのパンの香ばしさ、噛むほどに広がる優しい甘みと深いコク

そのすべてが、毎日の食卓をちょっと特別にしてくれるはずです。
 

ぜひ、じっくりと発酵させたパンの奥深い味わいをお楽しみください。

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2021.12.21
店舗情報
Bakery Quartet
東京都大田区萩中2丁目7−12ST萩中101
定休日:木曜・金曜
営業時間:10:00~17:00
特定商取引法に基づく表記
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