読み物

シュトーレン徹底解剖

rebakeスタッフ リベイクスタッフ
2024.10.31


年々、存在感を増しているシュトーレン。

rebakeでも毎年シュトーレン特集をやっていますが、「そもそもシュトーレンって何?」「なんか気づいたら出てきてるけどよく分からない」という声も。

誰もが初めはシュトーレン初心者🔰

このマガジンを見ると、シュトーレン初心者→上級者にぐーんとレベルアップできますよ🎄


シュトーレンのことを知ると、クリスマスシーズンが一層楽しめます。

今年からの冬のお楽しみのために、どうぞご覧ください🎅



最後まで読むと分かること👇


そもそもシュトーレンってどんな食べ物?

作り方を知りたい

どんなタイプがありますか?

シュトーレンの歴史を知りたい

食べる時期は?

食べるタイミングは?

シュトレンなの?シュトーレンなの?

1度にどれくらい食べるのが普通なの?

保存方法を知りたい


そもそもシュトーレンってどんな食べ物?


シュトーレン(Stollen)は、ドイツ発祥の伝統的なクリスマス用の焼き菓子。

大きさは小ぶりなものから大きいものまで色々ありますがどれも丸太のように少し丸みを帯びた楕円形なのが特徴です。


ドライフルーツやナッツ、スパイスがふんだんに練りこまれた生地を焼き上げ後にバターをたっぷりと染みこませ、砂糖や粉砂糖をまぶして仕上げます。この白い粉砂糖が、雪に覆われた様子を連想させることから、クリスマスの時期にぴったりのお菓子とされています。


お店によって、ドライフルーツをラム酒やブランデーに付け込んだり、お茶やチョコレートを入れたりと個性豊かなものもあります。


ちなみに、マジパンが入っていることもありますが、クリスマスケーキの上に乗っているサンタさんのマジパンとは少し違います。



シュトーレンに使われるマジパンは、アーモンドと砂糖を練り合わせて作られる滑らかなペーストで、独特の甘みと風味が特徴。

アーモンドを細かく砕き、砂糖と混ぜ合わせたものに少量の水やシロップを加えてペースト状に仕上げられています。

マジパン入りのシュトーレンは「マジパンシュトーレン」とも呼ばれ、アーモンドの風味が際立つ一層贅沢なバリエーションとして人気があるんです。


作り方を知りたい

気になる作り方はこちら!パン屋さんになった気分でお楽しみください。






BAKERY SENGOKUさんにご協力いただきました。

お店によって、作り方が異なる場合があります。


どんなタイプがありますか?

シュトーレンには、本当に色んなタイプがあります。

例えば…


お酒の有無

シュトーレンでは風味を良くするためにラム酒やブランデーを使うこともあるのですが、使わないタイプのものもありますよ。 

お酒を使っていないシュトーレンを見に行く


表面の砂糖

バターをたっぷり使うシュトーレン。そのためにさっと粉糖を振っただけだとバターが粉糖をを吸い溶ってしまいます。(これを「粉糖が泣く」と言います)

粉糖の「泣き」を防ぐためにも表面をコーティングされています。しっかりと砂糖の壁を作るタイプや、粒の大きい糖を使う場合など、色んなタイプがあります。



サイズ

200g(板チョコ2枚分の重さ)以下~500g(500mlのペットボトルの重さ)以上のものまで、大きさは色々。

一般的には250~400gぐらいのものが多いです。


サイズ別にチェックしたい方はこちら👇

Sサイズ(~199g)のシュトーレンを見に行く

Mサイズ(200~399g)のシュトーレンを見に行く

Lサイズ(400g~)のシュトーレンを見に行く


大きく分けると2タイプ。くぼみがあるタイプとくぼみがない山型のタイプ。



くぼみがあるシュトーレンは、ドレスデンの伝統的な形状で、布に包まれた幼子イエス・キリストを模しているとされます。

生地を成形する時に半分に折りたたみ、上部に少し膨らみがある形にすることで、くぼみを作っています。


くぼみがないシュトーレンは、切り分けやすくて保存もしやすいと徐々に広まってきたタイプです。くぼみをつけないことで、焼き上がりやすいのも特徴です。


そのほか、ドイツ国内では独自のシュトーレンの分類もあるんです。一例として、以下のようなものがありますよ。


クラシック・シュトーレン(クリストシュトーレン)

伝統的なタイプで、ドライフルーツやナッツ、スパイスがふんだんに使われたもの。表面にはたっぷりのバターが塗られ、粉砂糖で仕上げられています。最もポピュラーで「クリストシュトーレン」とも呼ばれます。


バターシュトーレン

バターの風味が際立つタイプで、粉の重量に対してバターは40%以上含むこと、ドライフルーツは70%以上含むことなど細かな基準があります。リッチな味わいながらもシンプルで食べやすいのが特徴です。

バターはドイツ語で「ブッター」なので、「ブッターシュトーレン」とも呼ばれます。


クヴァルクシュトーレン

ドイツのフレッシュチーズ・クヴァルクを使ったタイプで、軽い食感が特徴です。バターの代わりにチーズを使うため、少し爽やかな風味が加わり、食べやすいのが特徴です。


モーンシュトーレン

ケシの実(=モーン)がたっぷり入ったタイプで、香ばしさとほのかな甘みが特徴です。あんぱんの上に少しだけ乗っているケシの実ですが、シュトーレンに入ると主役になります。

モーンシュトーレンを見に行く


シュトーレンの歴史を知りたい

諸説ありますが、シュトーレンは700年以上前に歴史は遡ります。


ドイツのザクセン地方、特にドレスデン(Dresden)地域が有名で、14世紀頃にはすでにシュトーレンの原型が存在していたとされています。当時のシュトーレンはバターやドライフルーツが入ったリッチなものではなく、非常にシンプルな材料で作られていたそうです。


食べ始められた頃のシュトーレンが作られ始めたころは、クリスマス前の時期(=アドベント)には断食が行われていたんだとか。その期間中に食べるものとして、シュトーレンが作られ始めました。


細長くて砂糖のお化粧がされたシュトーレンは、布に包まれたイエス・キリストを象徴しているとされています。そのために、クリスマスシーズンに食べられる特別なお菓子として大切にされてきました。



また、寝かせることで味が熟成し、時を経るごとに美味しくなるという点も、クリスマスに向けた期待感を高める一因となっています。


しかしながら、当初のシュトーレンではバターやミルクなどの贅沢品を使うことが禁止されていたため、とっても質素な食べ物でした。

ザクセン地方で改善の運動が広まり、バターを使えるようにローマ教皇に働きかけました。

1490年からはシュトーレンにバターが使えるようになり、味わいが一気に向上しました。これがシュトーレンの進化の始まりで、次第にドライフルーツやナッツ、スパイスなどが加わり、現在の形に近づいていきます。


ドイツ・ドレスデンはシュトーレンの歴史的な中心地であり、「ドレスデンシュトーレン(Dresdner Stollen)」は伝統的なシュトーレンとして特に有名です。

16世紀にはドレスデンのクリスマスマーケットで販売されるようになり、1719年にドレスデン宮廷でシュトーレンを祝う大規模なイベントが開催されました。この伝統は今も続いており、毎年ドレスデンでは「シュトレン祭り」が開かれます。


現在では、世界中でクリスマスの時期に楽しめるお菓子として愛され、ドイツ以外の国でも広く作られています。


食べる時期は?


シュトーレンは、主にクリスマス前の4週間(=アドベント)に少しずつ食べ進めるのが伝統的な習慣です。


シュトーレンは、焼き上げた直後よりも数週間寝かせることで、バターやドライフルーツ、スパイスが馴染み、より深い味わいになります。そのため、クリスマスの数週間前から楽しむのが理想的です。


この伝統に従い、少しずつ切り分けながらクリスマス当日までの楽しみを分かち合う、季節の味わいとともにクリスマスを待ち望む、特別な時間を演出するお菓子とされています。


食べるタイミングは?


シュトーレンは特定の時間帯に食べる決まりはないので、昼でも夜でも好きなタイミングで楽しめます。


おやつとして食べられることが多いですが、クリスマスシーズンには、朝食や軽食として楽しむ人もいます。夜ご飯の後のデザートや夜食としても人気です。


ドイツでは、シュトーレンはコーヒーや紅茶と一緒に楽しむことが一般的で、特にアドベントの期間中、家族や友人と過ごす午後のひとときに食べることが多いんだとか。もちろん、夜にクリスマスの雰囲気を楽しみながら、ワインやホットワインと一緒に食べるのもおすすめです。


ちなみに、スパイスの効いたシュトーレンは、同じくスパイシーなチャイとも相性抜群ですよ。


シュトレンなの?シュトーレンなの?

人によって「シュトレン」と呼んでいることも「シュトーレン」と呼ぶこともあって、どっちが正解なの?

と思いますよね。


ドイツ語の「Stollen」の発音に近いのは「シュトレン」の方ですが、「シュトーレン」の方が日本語の発音として馴染みやすくなったため、多くのお店やメディアで「シュトーレン」が採用されています。


特に決まったルールがあるわけではなく、どちらも同じStollenを指すので、どちらを使っても大丈夫です。

ドイツで修行していたお店では「シュトレン」と呼んでいることが多いです。


1度にどれくらい食べるのが普通なの?

シュトーレンは、1cm前後の厚さに切って食べるのが一般的。

薄くし過ぎると崩れやすいのに加えて、食感や風味を感じにくくなるので1cm前後がおすすめです。



1cmだと少ないなと感じるかもしれませんが、甘さも濃厚さもあるので見た目以上に満足できますよ。


そして、注意したいのは切る場所。端からではなく、真ん中から切るのがおすすめです。

真ん中からスライスして、切った後は切り口同士を内側に合わせておくことで乾燥しにくくなり、長期間保存しても風味が損なわれにくくなります。


真ん中から切って少しずつ両端に向かって食べ進めて、最後まで美味しく召し上がってください。


保存方法を知りたい

乾燥や風味の劣化を防ぐために、しっかりと密閉して冷暗所で保存するのが理想的です。

お店から保存方法について案内があった時以外は、以下の保存方法がおすすめです。


1. ラップで包む

シュトーレンをラップでしっかりと包みます。

※乾燥を防ぎ、しっとり感を保ちやすくなります。


2. 密閉容器に入れる

ラップで包んだシュトーレンを密閉容器に入れると、さらに風味を保ちやすくなります。


3. 冷暗所または冷蔵庫で保存

室温が低い場合は部屋の中で保存できます。暖房をよく使う場所は不向きなので、その場合は冷蔵庫で保存するのがおすすめです。


上手に保存すると、その間に風味が馴染んでさらに美味しくなりますよ。



ここまで読んだあなたは、シュトーレン上級者!

もっと知りたい!という方はパン屋さんに聞いてみてくださいね。


そして、シュトーレンとともに素敵な冬のシーズンをお楽しみください。

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